2019年に「働き方改革関連法」が施行されてから、多くの企業が今までになかった多様な働き方を導入するようになりました。時間や場所にとらわれず、ワークライフバランスを重視して働けるようになりつつある一方で、オフィス内におけるコミュニケーションの重要性を訴える声が多く聞かれるようになりました。ここでは、オフィスレイアウトの実例とともに社内コミュニケーションの活性化について紹介していきます。
働き方とコミュニケーション
従来のオフィスは組織運営の円滑化を目的とした、トップダウン型の指令系統に強い島型のレイアウトが主流でした。しかし現在は、社員が自発的に発言するフラットな組織モデルが増え、企業はコミュニケーションを重視するようになりました。これにより、ディスカッションや交流を必要とする機会が多くなったことで働く人々の動線や、オフィスに求める必要な機能に変化が起こりました。
ワークスタイルとオフィスの認識の変化
リモートワークや外出の制限により会話や気分転換の場の制限を余儀なくされ、必要な情報を得にくい環境でのワークスタイルを多くの人が経験しました。それに伴い人々の働く場所に対する認識は変化し、オフィスは今や“仕事場”から“コミュニケーションの場”、“モチベーション向上の場”などとして必要とされるようになりました。
社内ミュニケーションが必要とされる背景にあるのは、転職や起業が増え、様々な文化や考え方をもつ従業員が一緒に働くケースが一般的となったことが大きな要因にあります。
このことにより、「同じような業務内容や価値観を持った社員が集まり時間を共有し、意思の疎通がとりやすくなる」という状況は減少しました。
多様性のある働き方やパーソナルを尊重する風潮のもと、円滑な仕事の進め方や従業員の満足度へとつながる大きな要素の一つとして、社内コミュニケーションが重要視されるようになりました。
社内コミュニケーションを重視したオフィスレイアウトのポイント
気軽にコミュニケーションを取れる環境が整ったオフィスでは、チーム内での意見交換や情報共有が活発になり、新たなアイデアが生まれやすくなる、視点を変えてみることができる、などの発想を転換するきっかけが増えます。
また、トラブルの発生時や経験の浅い社員に対して素早く対応することが可能になります。
連携が必要なプロジェクトの場合、些細な会話からチームメンバーとの親密度を深めることも、スムーズに業務を進めるために重要なプロセスとなります。
このような良い変化をもたらす、社内コミュニケーションのためのオフィスレイアウトのポイントを紹介します。
会話がしやすいオープンな空間
社内コミュニケーションを活性化させることは、社員が必要な情報を適切なタイミングで共有することができ、上司や部下、同僚、チームメンバー間の信頼関係につながります。
相談やミーティングがしやすい環境は、組織の方針や目標についてより明確な理解を得られるため、不安を解消しやすくなります。
また、信頼関係が構築された環境では、社員の職場への帰属意識や満足度が高まり、モチベーションの向上にもつながります。
オープンな執務エリア
可変性のあるミーティングスペース
他部門との交流や情報共有がしやすい空間
他部門から得られるリアルタイムな情報は、正確な状況把握やタイムリーな対応にもつながります。
また、様々な部門との連携が必要なプロジェクトの場合、お互いの役割やパーソナルの特徴を理解し信頼関係を築く必要があります。
異なる部門とのコミュニケーションが活性化されることで、チームや部門の垣根を越えて社員がより密接に連携し、協力して業務を遂行することができます。
使う人を固定しないフリーアドレスデスク
人が集まるマグネットスペース
雑談から新しい発想につながる空間
社内コミュニケーションが活性化していると、重要な情報や意見が迅速に共有されるため、意思決定にかかる時間が短縮されます。
加えて、異なる部門や個人がアイデアや知識を共有し合うことで、新しい発想や創造性が生まれます。
これにより、組織は競争力を維持し、成長することができます。
身心をリセットするリフレッシュスペース
気軽に相談しやすい雰囲気の雑談スペース
社内コミュニケーションが活性化するオフィスレイアウトの事例
実際にオフィスレイアウトを変更して社内コミュニケーションの活性化につながった事例を紹介していきます。
フリーアドレスの導入事例
東京支店ショールームでは、完全にフリーアドレスにするのではなく、事務作業の多い部門は固定デスクで、外回りの多い営業部門はフリーアドレスにしております。
固定デスクとフリーアドレスを組み合わせることで、双方の利点を享受することができます。
実際に弊社で部分的にフリーアドレスを導入し業務内容に合わせて働く環境を整えることで、他部署社員とのコミュニケーションが活性化した結果、社員のパフォーマンスが向上しました。
リフレッシュスペースの導入事例
株式会社ジャパン通信社様では、明るい雰囲気で社員が集まりリラックスできるような空間を意識して家具を選定しました。
カーブ窓に沿ってハイテーブルを設置し、窓からの眺望を楽しみながらくつろげることができます。また適度に植栽を設置することでリラックス効果が生まれるだけでなく、ほどよく視線を遮ることができる工夫も施されています。
リフレッシュルーム設置事例
株式会社広島様では食堂や畳のリフレッシュスペースが設置されています。
食堂には、イミテーショングリーンや木製家具が配置されており、温かみを感じられる空間になっています。また、食堂脇には、従業員様のご要望でお昼寝ができる畳のスペースが配置されています。食事をしたり、簡単なミーティングやリフレッシュできる場所を設けることで、従業員様の疲れをいやしたりインフォーマルな交流を促すことができるため、従業員の満足度向上に貢献しています。
TOKIOデザインスペースからのご提案
働き方が多様化する中で、オフィスレイアウトも変化していく必要があります。そのためには、まず社員のニーズを把握し、それに応じた機能別のスペースを設けることが大切です。コミュニケーションを促進する工夫や、ハイブリッドな働き方をサポートする設備を整えることで、働きやすいオフィスづくりが可能になります。
変化する働き方に対応したオフィスレイアウトの改善は、社員の生産性向上やモチベーションの向上につながり、結果的に企業の成長を促します。また、環境に配慮し、ウェルネスに重点を置いた健康促進型のオフィスを取り入れることで、社員の心身の健康もサポートできます。
様々な働き方の対応したレイアウトプランニングのご提案はTOKIOデザインスペースにお任せください。